エンパワーメント実行録 今、業績を出すためには

シナジー効果を発揮するチームメンバーの活用方法

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皆さんが、リーダーとして部下を何人か持っているとしたら、また、管理職では無くてもプロジェクト業務の参加に指名され、その中でプロジェクトリーダーを任されたとしたら、チームのメンバーを最大限に活用するためには何に気を付けたら良いでしょう。

今回は、チームメンバーを活用して、チームシナジーを最大限に発揮できるメンバーの活用方法について考えていきます。

「グループ」と「チーム」の違いを理解しよう。

「グループ」と「チーム」とは同じような使い方をしますが、チームマネジメントの中では明確な違いがあります。

「グループ」とは、

博士
何らかの目指すべき指標に向けて集まった集合体の事。業務の目的を共有する必要は無く、一人一人に対して手段と到達点を明確に定義し、組織成果は一人一人の業績の総和である。

「チーム」とは、

博士
共有された目的を達成するための集団である。一人一人の特性に応じた役割を持って、責任と成果を発揮していく。またその組織成果は、個々の成果の総和とチームのシナジー効果(※)によって成り立っている。

参考

チームのシナジー効果とは、①メンバーの自律的な想像力効果、②メンバー同士の共有と連動の効果、③各自が持つ特性を活かす効果

違う見方として「グループ」と「チーム」を見ると。「グループ」はメンバー個々の意欲やスキルを事前に考慮しない画一的な業務量と到達指標が与えられるが、「チーム」ではメンバー個々に対しては画一化された業務設計・役割分担や到達指標は必要が無く、チーム全体としての共有化された目的と、それに向かう目標を持って業務を進めていきます。

業務配分で優先すべきはメンバー個々の長所を活かす事

人財の活用は、職場内での業務の「平準化」や「平等」が当然であった時代(同一業務者全員に同じ能力を求める)から、個人の特性を活かしたチームマネジメントができるかに変化してきており、リーダーも求められるマネジメント方法が変わってきています。

一般的に”平準化”や”平等”と言う言葉は、業務を単純に量的評価している物ですが、メンバー側が肌身に感じる仕事の平等とは少し違った要素が関係しています。

例えば全く同じ仕事をしていても、その仕事が好きなメンバーは、高い業務意欲を維持でき、達成感も感じやすくなるため、肉体的疲労に対して精神的疲労の方が少なく感じるものです。一方、その仕事を嫌々やらされているメンバーは、精神的疲労を感じ易く、その結果として肉体的な疲労も必要以上に強く感じるものです。

また、このメンバー個々の仕事の好き嫌いは、全ての業務に共通するのではなく、タスク毎に変化する事に注意が必要です。例えば、論理的にプレゼンが必要なB to Bの商談は不得意だが、人情を前面に出してやり取りする商談は得意であるというセールスや、データ分析やエクセル加工は得意だが経費処理作業は苦手である社員など、仕事によって長所短所は変わる物です。

往々に、仕事に対しての取り組み姿勢や、大きなセールス成果による実績などによって、人間そのものをまるごとにタイプ評価してしまう事がありますが、個々のメンバーが持つ長所を活かすという事は、一つ一つの業務(タスク)に対しての長所短所を見極める事です。

今求められるリーダーは、一つ一つの業務に対して、業務特性とメンバーの特性をマッチングさせるチームマネジメント、つまりメンバー個々が持っている長所を如何に活かしながら業務設計・業務分担、実行支援が出来るかが求められているのです。

メンバー毎の業務設計・業務分担の例

チームでの業務設計の考え方を理解したら、実際の業務分担を作る事になりますが、チームでのシナジー効果を考えた業務分担を作るにはいくつかのポイントがあります。

ポイント

●タスク毎に必ず複数のメンバーが関わり、役割を明確にしている事。

●タスク毎に「タスクリーダー」「実行者」「サポートメンバー」「支援(相談)者」などの役割を付与する事。

この2つのポイントにプラスして、個々のメンバーの長所を活かせる業務に就かせているかを考慮しなければなりません。

また、年長者や業務意欲の低いメンバーには、得意分野であるタスクをあえて設計し、「タスクリーダー」の役割を付与するで、チームメンバーである意識を徐々に高めていく事(負担の少ないタスクから始める)が中期的にチームシナジーを発揮するためには有効です。

このようなメンバーは、上司や組織から命令される業務に対しては、心理的バリアが発生しますが、同じメンバー間では「迷惑を掛けたくない」、「疎外されたくない」という意識があるため、主体的に貢献できる環境を整えてあげる事が有効です。

メンバーのタイプ別、リーダーの関わり方

メンバー個々を活かした業務設計ができたら、次は実行プロセスでのメンバーとの関わり方です。

リーダーは業務設計・役割分担が出来たからと言って、実行プロセスでは完全に任せきりにしてはいけません。ここでもタスク毎にメンバーの特性を考えた支援行動をする必要があります。

注意ポイント

決して間違ってはいけないのは、タスク毎でメンバーの特性を見る事です。人間全体まるごとで分けてはいけません。

以下のグラフには、タスク毎に「スキル」と「業務意欲」を2軸で4象限に分類した上で、各象限毎に支援方法が記載されています。

 

参考

①業務スキル面➡このスキルによるリーダーの関わり方は、”業務指示レベルの度合い”です。

②業務意欲面➡このスキルによるリーダーの関わり方は、”支援的行動レベルの度合い”です。

この2つの軸をクロスさせると4象限に区分されます。青色の吹き出しに記載されている内容が、メンバーに対するリーダーとしての関わり方です。

一般に組織の中核人財と言われる、30~40代前半までのメンバーは、上記の「スキル」と「意欲」によるシンプルな分類では難しく、これ以外に本人のキャリアプランや向上心、競争意識、家族環境などが複雑に関係してきます。したがって上記4象限に記載された対応以外が発生する事になりますが、その場合は、管理職から本人へ具体的な期待と支援内容についてしっかり伝えておくことが重要です。

このような、チームマネジメントでのメンバーの活かし方は、最初はその組織の管理職、次にタスクやプロジェクトの中核社員が理解する事が必要です。しかし最終的にチームマネジメントを機能させるには、全メンバーがこの手法を理解し、メンバーだけで業務設計や業務分担が出来るようになる事が必要ですので、リーダーはチームマネジメントの推進に関してだけは、強く・粘り強いリーダーシップが求められます。

ゴールまでのプロセスの中では多くの失敗をする事と思いますが、本当に環境変化に強く、高い業績を出し続ける組織にするためには必要なプロセスですので諦めずに強い信念を持ってリーダーシップを発揮して下さい。

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近藤 章功

組織変革・人財育成を考える次世代リーダーを目指す方向けのサイトです。 経歴は、2019年で企業勤務を退社し、企業・組織のコンサルタントと共に研修会社と契約し研修講師を実施中。専門分野は人財育成・組織強化対策中心に幅広く対応。 コンサルティング・研修・講演ご希望の方は、以下まで anngel01020909.ivia@gmail.com

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