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会社員の退職から再就職まで~起きる事と必要な準備【2020年】

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サラリーマンは、企業と言う狭い社会に籍を置いていたために、雇用という点においては全くの無知な状況になっています。退職する方は退職する最低1年程度前から退職した後の事を具体的に考えた行動をする必要があります。

本章は、自分自身が会社退職~新しい業務に就くまでに得た知見をご紹介していくコラムですのでご参考にして下さい。

まずは、退職後にどんな生活をしたいのかを決める事

退職する前に、退職後の生活準備をした方が良いと思っていても、実際には最後まで仕事に追われていたり、何を準備すれば良いのかが判らなくて、退職や定年の日を迎えてしまう事が多いのではないのでしょうか?

私自身も退職前までには何も準備をせずに退職を迎える事になってしまいました。その理由と改めて判った現実を振り返ると以下の通りです。

【理由①】退職金があるので、当面生活には困らないだろう。

【現実①】退職してから平均寿命までの期間を余裕で暮らせるほどの退職金を貰える方以外は、住宅ローンなどの借金返済等を行ったり、住宅をリフォームしたりなど、現職の時に出来なかった事をすれば、大きな出費になります。当たり前のことですが、退職金で生涯生活する事は出来ません。日々の生活において、預金が次第に減っていく事で焦りが出てきます

【理由②】失業保険を貰えるために、当面日々の生活は出来そうだ。

【現実②】一般に退職前の賃金は、生涯の労働期間の中でも多い賃金を貰っていた可能性が高いため、多少なりとも余裕ある生活をしてたはずです。失業保険での収入は最高額でも20万円強の収入です。逆に10万円台の方が多いと思います。この収入では、今までの生活レベルを落とす事が必須です。節制した生活をすれば当面の日々は生活できますが、今まで出来ていた様々な事を止めなければ赤字になります。止める事は、口で言うほど簡単ではありません。

【理由③】退職後は少しの間ゆっくりしたい。

【現実③】これは、どの位ゆっくりしたいのかを決めないと、だらしない生活から抜け出せなくなります。現職の時にたまにOB社員の方に合うと「毎日が日曜日だよ」とよく聞きましたが、本当にその通りです。退職直後は、役所やハローワーク等の手続きに奔走する事になったり、現職時代の仲間との付き合いもあると思いますが、1か月もすれば、本当に毎日が日曜日になります。

【理由④】退職してから再就職についてゆっくり考えても何とかなる。

【現実④】これも、現職時代に退職していく人に対して「退職後は何をなさる予定なんですか?」と聞くと「道路や駐車場の誘導員やビルの清掃員でもやるよ」という話をよく聞きましたが実際にその様な厳しい環境の職業に就いた方を知りません。2019年までは、様々な求人が出ていた可能性はありますが、新型コロナによって現在のシニア層の求人状況は大変厳しい状況になっています。本心で低賃金・重労働でも働くと言う方は求人はあると思いますが、事務的な仕事を考えている方は、特殊技能がない限りは、求人が少ないため必然的ににゆっくり考えさせられる事になります。

ハローワークや職業紹介事業者の現状

退職後の新しい仕事を見つけるためには、①ハローワークを活用 ②民間の職業紹介所 ③友人や元同僚・先輩からの紹介 ④ネット検索等があります。①~④までを個々に現状を記載していきます。

①ハローワークを活用

ハローワークでは、自分自身がPC操作する事による求人検索と職員との面談による相談が基本になります。

シニア層の求人に関しては、フルタイムの正社員で検索すると、15万円/月~18万円/月程度が中心帯(東京・神奈川の場合、地方は更に低賃金の可能性)でした。また、労働条件的には、休日や平均超過勤務等は記載されていますが、何社か面接した感触では、求人票を作成する上での見栄えの良い記載で、現実は違う可能性が高いと思われます。

また、様々な条件が付帯されている場合も多く、私は現職時が営業関係の仕事でしたが、これが全く役に立たない事を思い知らされました。比較的多いのが、不動産関係資格、マンション管理者資格、財務関係資格や職務経験、IT関係資格や開発経験、福祉関係資格などの資格保持や職務経験者は広く選択肢があると思いますが、これに該当しない方は、非常に厳しいと考えていいと思います。

また、ハローワークでの窓口相談は、失業保険を貰うために、月に2回以上(民間紹介所でも可)の相談実施して証明印を受領するか求人に応募して面接に行っている事実が必要なので、失業補填を貰う事実を作るための形式的な面談になりがちです。

②民間の職業紹介所

民間の職業紹介所というと、大手ではパソナやリクルートなどがあります。私もこの紹介所に登録していたため、結果的に新しい仕事が決まりました。

ここの活用に関しては、ハローワーク同様求人検索と相談がベースになりますが、ハローワークとの違いは、自分の担当が明確に一人決まっている事です。したがってハローワークに比べて具体的な希望の伝達もし易いですし、担当者からの紹介も多くいただけます。また履歴書の記載方法や面接の仕方などの学習・訓練も行ってくれます。

ハローワークと比べてメリットばかりのようですが、デメリットとしては、担当になった人によって価値は大きく変わる事になります。また、速く再就職を見つけてあげる事が最優先になってる感が担当者に強く出てくるので、「この求人はさすがに・・・」という案件も多く紹介されます。私の場合は、幸い通常の求人以外の希望を伝えると、個人的なツテで紹介をしていただけるなど素晴らしい担当者に恵まれた事が新たな仕事の決め手でした。

③友人や元同僚・先輩からの紹介

実はこの知人関連紹介によって再就職を決める方の割合が少なくないようです。私を担当した民間の紹介所の方からも勧められて、元上司の先輩を頼ってみましたが、多くの知見を持っていて勉強になりました。

ポイント

現職時代には、OBの方々による再就職ノウハウなどを聞く機会はなかなか無いので、結果的に退職後になって苦労をする事になる訳です。可能であれば現職でいる時に様々な先輩に声を掛けておくなどの行動が出来れば、選択肢は広がりますし、苦労話だけでも聞ければ余裕をもった行動が出来ると思います。

④ネット検索等

①~③ですんなり決まってしまえば、個別にネット検索等の必要はありませんが、自分自身の新たな仕事の方向性が明確にあれば、充分に価値を発揮してくれる可能性のあるものが多く存在しています。

私は、「高収入の仕事も見てみたい」「コンサルティングや顧問などのスポット的な仕事も考えたい」と思ったので、①ビズリーチ、②顧問ネットワーク ③i-COMMONなどに登録していました。(3つとも入社試験のように合格登録制度です、登録料金は無料です)

共通して言えたことは、特別な資格や経験、価値の高い人脈が無ければ、何処に登録しても箸にも棒にもかからない事が判りました。採用条件として多いのは、IT関連資格・経験、M&A経験、海外マーケット経験などが多いと思います。また人脈関係では、特定の行政窓口、特定分野の企業キーマン紹介などが多く、どれも役員以上に深い人脈がある事が必要です。とにかく特殊な技能や傑出した職務経験を持ってる方は、有効な仕組みであると思います。

定年退職後にも必要な支出

会社に所属している時は、会社が勝手にやっていてくれた各種の支払いを、退職後は全て自分で行う事になります。そのための手続きも自分自身で役所等に行って行います。代表的なものでは、「国民健康保険の手続きと支払い」「国民年金の手続きと支払い」「地方税の支払い」などがありますが、

注意ポイント

退職前にしっかり会社に確認しておくか、自分で調べておかないと、手続きに苦労したり、場合によっては不利益を被る可能があります。

例えば健康保険に関しては、現職の時に加入していた健康保険に退職後に任意継続して加入する事と、国民健康保険へ加入をする場合がありますが、国民健康保険料や軽減措置の扱い等が行政によって違う可能性があるために、どちらが安いかは退職後の居住地の行政(役所)に確認する必要があります。一方、任意継続するかどうかの申し込みは現職中に行う可能性がある事や一括前納すると途中変更しても還付が出来ない場合などがあります。現職中に確認しておかないと高い保険料になる事もあります。

次に、国民年金では、年金事務所から年金支払の用紙が送付されてきますが、退職時の状況(ハローワークの退職理由コードによる)によっては、支払いの免除・猶予ができる可能性もあります。当然免除・猶予によって受領する年金金額は変わりますが、受領金額の変化が千円程度/月に対して、支払う年金額が、数十万円というレベル程違いがあるため、考慮には十分な価値があります。

最後に地方税に関してですが、地方税は前年の所得に対して支払いを行うため、現職時代の前年年収に対して、6月頃に支払いの請求が地方行政より通知されます。これが、想像以上に大きな金額になりますので、退職金を全部使ってしまった等で、預金が無いなどにならないように準備しておいてください。私も突然通知が来たので、また金額も大きいので、結構驚いたことを記憶しています。

退職前にしておくべき準備とは・・

【再就職】高収入の仕事を探したいなら

在職中に、履歴書に記載でき、かつニーズの高い資格の取得をして置く事をお勧めします。ニーズと言うのはタイミングによって変化する可能性がありますが、不動産・マンション管理系やIT関連、語学系は安定してニーズが高いと思います。また、高収入求人は、ハローワークや民間職業紹介所で見つける事は難しいと思いますので、ビズリーチのような高収入サイトやヘッドハンティングサイトへの登録を在職中にしておく事をお勧めします。また、在職中のどの人脈が新たな雇用に結びつく可能性があるのかを見極めて準備するためにも、各種顧問サイトへの登録も現職中に行っておく事と人脈リストを可能であれば作成しておくことをお勧めします。

【再就職】低収入で良いと思うなら

退職一時金や個人で準備してきた確定拠出年金のような個人年金等がある方、その他の不動産収入や農業収入などの収入が一定程度ある方は、毎月の収入自体は無理しなくて良いが健康維持のためにも就業したいと言う方もいると思います。また高収入業務への希望はあるが、必要な資格や業務経験によって、実態上難しいと思われる方も低収入の求人を見極めていく事になります。私も10万/月~18万/月の求人に実際に何社も応募してみましたが、以下のような事が非常に頻繁に起きます。

①採用条件はあてにならない。

採用条件の中で、学歴や年齢制限などの記載が必ずありますが、年齢制限なしとなっていても、大抵の場合は40代~50代前半までを指している場合が多く60歳以上を可能とする場合は非常に少ないと思ってください。またシニア層の採用に何の意味があるのか分かりませんが、学歴条件がある場合も多くあります。

②労働条件もあてにならない

求人票には当然月額給与や勤務日数、労働時間、平均超過勤務などの記載がありますが、行政関連や大手企業(グループ)の求人以外は、全く当てにならないと思ってください。私が経験した中では、求人票には「17万/月~18万/月(経験によって)」と記載してあった会社の面接で、「月に13万からだけど良いですね・・」といきなり言ってきた会社があったり、就業時間はあってないような事を平気で言ってくる会社もありました。また、労働基準監督署に通報したらすぐにでも問題になる事を、平気で人事担当部長が発言している所もあったほどです。

低収入の求人には本当に様々な会社が求人を出していますので、企業のHPや口コミなどの情報を自分で取得する等を行って見極める必要があります。なお、ハローワークではネガティブ情報を貰ったことはありませんし、民間の紹介所では、基本的に求人案件を取ってきた営業がいるために、ネガティブ情報を貰う事は困難ですので、自分で見極めていく事が必要です。

個人事業主を目指すなら

定職を持つのではなく、今まで働いてきた経験を活かした収入を得たいと思う方や、執筆等による収入を考える方もいると思います。これらは法人化して起業する以外は個人事業主としての活動になります。

なお、経験や趣味等の執筆による収入を考えている方は、以前のように書籍による出版を目指すために、出版社への企画書作成と提案という壁を乗り越える必要があり、また出版できてもデジタル社会になった今日では多くの販売は難しいのが現実です。(要は金になりにくい)

その代わり、このコラムのように電子媒体を作成して収入を得る事にチャレンジした方が近道であると思います。ただし、ブログやホームページ自体の収入を得るためには、広告を掲載するための仕組みを活用する必要があります。

参考

このコラムの中にも広告が掲載されていると思いますが、これはGoogleのアドセンス広告といって、広告を閲覧する読者が多いほど広告料を得る事が出来るものです。他の仕組みとして広告を通して購買が発生した際に収入を得られるアフィリエイト広告などがありますが、最も安定して収入が見込めるものがアドセンス広告です。しかしアドセンス広告を掲載するためにはGoogleからブログやHPに対して承認を得る必要があり、承認を得るためには、想像以上の苦労が必要です。実際、私が承認を得るために10回以上の非承認を貰い、解決に掛かった時間が通算で数百時間かかったほどです。ネット上では100万/月以上稼げる事も可能であるなどが踊っていますが、簡単ではありませんし、月に数百円という方が大半ではないかと思います。

なお、私は大手企業と個人での業務委託契約を締結したため、この個人事業主となっていますが、個人事業主になるためには、税務署に「開業届け」と「青色申告申請書」の提出を行う事で、ハローワークの失業届けが打ち切られる事となりました。個人事業主となる場合は、実際の収入の目途を立ててから開業届けを出さないと、無収入になる可能性がありますので注意が必要です。

現職の時点から再就職活動はスタートしている

以上記載してきた通り、定年退職の場合も、定年以外の退職の場合も在職中の準備がとても重要な事がお解りいただけたでしょうか?退職してから考えよう・・と思っている方は、「世の中そんなに甘くない・・」と思ってください。さらにその環境はこのコロナ過で大きく悪化していると思ってください。

資格の取得や、人脈の整理、場合によってはネットスキルの勉強など、事前に取り組んでいた人が圧倒的有利に事を運べることになります。ぜひ早めの準備をお勧めします。

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近藤 章功

組織変革・人財育成を考える次世代リーダーを目指す方向けのサイトです。 経歴は、2019年で企業勤務を退社し、企業・組織のコンサルタントと共に研修会社と契約し研修講師を実施中。専門分野は人財育成・組織強化対策中心に幅広く対応。 コンサルティング・研修・講演ご希望の方は、以下まで anngel01020909.ivia@gmail.com

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