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これから求められる営業スタイルとは?

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プロダクト営業からソリューション営業へ

時代の変遷と共に、営業のスタイルというものが変化していく事は当然の事です。高度成長期以降のアナログ期においては、「造れば売れる時代」が続き、バブル時代においては「性能の良い物、かっこいい物を売る時代」がありました。

この時代までの営業スタイルは、「いかに商品の特性、長所を伝えられるか?」という事に重点が置かれた「プロダクト営業」と言うスタイルだったと言えるでしょう。

その後IT化が進んでくると、物や事に対しての大量な情報が溢れるようになり、プロダクトを伝える必要性が希薄化していきます。営業側の視点から見ていけば、単に商品のプロダクトを伝達するだけではなく、消費者側の立場に立って、価値観を伝達したり、課題を解決できるポイントを提案していく「ソリューション営業」に変化してきました。

これからの営業に必要とされる要素は何でしょうか?

営業に必要な要素を考えるには、営業相手の立場に立って考えてみなければなりません。では、営業の相手の立場とはどのように考えれば良いでしょうか?そのことを考えていく上での参考資料として、2018~2019年のヒット商品番付を見てみる事にしましょう。

2年間の年間トップ10を書き出してみました。この商品群を見て思った事(思うべき事)は、赤で書かれている商品がなぜ売れたのか?と言う点に着目すべきです。

例えば、2019年1位のワークマンですが、以前からある業務用店舗になぜ急に若い女性を含めた一般の方が大量に入店するようになったのか? 

それは低価格と高品質を徹底的に両立させた上に、デザイン性まで拘った事で、他に類を見ない商品価値が生まれた事とそれを拡散させた若者(女性)たちのSNS・口コミ効果があったと言えます。

 

 

次にタピオカですが、タピオカは過去に2回ブームがあったと言われており今回で3回目のブームです。今回ヒットした理由は複数の要因が語られていますが、タピオカミルクティーという商品を売った特定の店舗からSNSで拡散していき、店舗でしか買えない商品であるがゆえに、まさしく若い女性の特権商品のように顕在化していきました。

その他の商品も赤書きで書かれた商品は、何らかの特徴が発見されたり、開発されたり、価値の変換が行われたりした上で消費者の評価が、SNSや口コミで広がり、それをマスコミが取り上げる事で大きく拡散していくという道をたどっています。

さてここでのポイントは、2点です。新しい商品がヒットするためには

ポイント

①今までにない消費者ニーズを発見または喚起・変換して、それを顕在化させた特徴を持っていること。

②情報発信力のある消費者が自ら積極的に拡散していきやすい環境がある事、またはその環境を作る事が出来る事。

読者の方は、「今までにない消費者ニーズ」に対する商品と言うのは、今までも同じようにしてきたのではないか?と思うかもしれません。

しかし、それは違います。

今までの消費者ニーズとは、様々な調査や、SNS上の情報、口コミ、商品の販売情報など、顕在化されたニーズに対して商品やサービスを供給していく事が中心でした。まさしく「ソリューション」提案です。

しかし、例えば2019年1位のワークマンのように、ワークマンにおいて肉体労働の方以外が日常の服を買いたいというニーズがあるとは、誰も想像していなく、ましてや若い女性や主婦が服を買うためにワークマンに来店するとは想像できない事です。

ポイント

つまり、顕在化したニーズに対してソリューションを行うのではなく、潜在化しているニーズそのものを創造して顕在化させていく事が重要なポイントとして求められている時代であると言えます。

これは、今のIT時代の圧倒的な情報量が、商品プロダクトに関するニーズを希薄化させる事と、持っている課題の解決には十分な情報量が溢れている環境にあるからの現象です。

ソリューション営業からクリエイティブ営業へ

さて、こうして考えていくと「これからの営業に必要とされる要素」は何でしょうか?

それは、消費者やアカウント、商談相手等のターゲットが、潜在意識の中で持っている事を創造できる力と、顕在化させることが出来るスキルという事になります。その力を持つ営業スタイルの事を「クリエイティブ営業」と呼び、今までの営業スタイルとの関係をイメージにした図が以下の通りです。

注意しなければならない事は、この「クリエイティブ営業」というスタイルは、

注意ポイント

新たなニーズ発見や既にあるのに気づいていなかった価値を顕在化するものでありますが、顕在化させた後に、ターゲットに対してマッチングする行為が必要とされる事から、「クリエイティブ営業」に必要な要素は、課題に対して提案する力を持つ「ソリューション営業」のスキルであったり、自社の持つ商品やサービスが持つ特性に対しての説明力を持つ「プロダクト営業」のスキルの上に成り立っている物であり、独立したものでは無いという事です。

以上から、情報が溢れるVUCA時代に付加される必要のあるスキルを持った営業スタイルは「クリエイティブ営業」である事がお解りになったと思います。なお、このクリエイティブ営業の考え方は、営業だけではなく、マーケティング部門はもとより、全部門に働く社員に共通して必要とされるスキルとなるはずです。

さて、次回からこの「クリエイティブ営業」に必要なスキルをもう少し具体的に記載していきます。

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近藤 章功

組織変革・人財育成を考える次世代リーダーを目指す方向けのサイトです。 経歴は、2019年で企業勤務を退社し、企業・組織のコンサルタントと共に研修会社と契約し研修講師を実施中。専門分野は人財育成・組織強化対策中心に幅広く対応。 コンサルティング・研修・講演ご希望の方は、以下まで anngel01020909.ivia@gmail.com

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