エンパワーメント実行録

全社員への情報開示はどこまでやるか?

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職場のエンパワーメント(自律的組織運営)やってみた第2章

情報共有のためにリーダーが必要な事は、腹を据える事

社員一人一人が、主体的に行動するエンパワーメント組織において、情報は大変重要な要素となります。

「社員の力で最高のチームをつくる~1分間エンパワーメント~」の本中では、

参考

正確な情報を持っていなければ、責任ある仕事をすることができない。

正確な情報をもっていれば、責任ある仕事をせずにいられなくなる。”

と記載されており、まさしくエンパワーメントの前提です。

リーダーの中には、部下より情報量が多い事にマネジメントの優位性があるという、時代錯誤の考え方を持っている人も少なくないと思います。また、もし情報なんて部下に与えてそれが漏れたら責任が持てないと、部下を信じきれないリーダーがいるかもしれません。

経営の中枢にいる方以外のリーダーが知りえる情報に関しては、私の経験で申し上げると、漏れても会社としてのリスクになんてなりません。だから本章の冒頭に記載した通り、第一の鍵に必要な事は、リーダー自身が腹を据えて部下を信じる事なのです。

自分が判断した情報共有レベル

私がトップマネジメントの立場で、管轄する社員全員に情報を開示したレベルは、「その情報自体が直接的にインサイダー情報になり得る物以外は開示」というスタンスを取りました。

したがって、新商品がいつ・いくらで発売されるという事は直接話さないものの、会社としてどんなカテゴリーの商品開発を進めていて、上市の目途はいつを目指している。という情報はどんどん流していました。

それによって、業務プランの立て方や、対外折衝のトークに変化が見られました。

その他には、社員がほぼ全員高い関心を示すのが、自分の賃金や賞与の額に影響する経営情報でした。

単なる経営情報だけでは、社員のほとんどは関心を示しません。しかし、その結果として賞与がいくらになるかを仮説で提供すると、目の色が変わります。

春闘に賞与額の交渉をしている企業以外は、経営層以外で賞与額を予測することは難しいと思いますが、過去の例でも十分インパクトは出せますので、部下たちに示してあげてください。

自分が想像する会社の将来像は、仮説でも伝えることに意味がある

上記に記載した内容以外に重要なポイントとして、自分が予測した10年後や5年後の環境については、半年に1度くらいアップデートして全社員に伝えていました。またその変化を予測して今何をすべきなのかと考えているかを伝えていました。

具体的な仮説の伝達内容の例では、5年後の販売額予測・利益予測、業界に関わる規制の状況、社員の在籍人数、業務の変化予測、アウトソーシング可能な業務、IT進化による影響などです。

ポイント

これは、自分の置かれている環境が今のまま続くことはないというメッセージであり、

そのために自分たちが変わるべき方向性を全員で議論してもらうための素材と健全な危機感情勢となります。

そして継続的に何度も何度も自分たちの将来と、変わるべき自分の姿を議論し深めていく事で自分事に変化できるのです。

この議論をしてもらうというのが、この第1章の最大のキーポイントで、伝えるだけでは意味がありませんし、1回きりでも意味がありません。

最後に当たり前のことではありますが、今回記載した情報提供内容に関しては、その見方や予測等の説明が不可欠です。

したがって、メールや文書での提供は出来ないと思ってください。少なくとも私はその都度全組織を巡回して多くの説明時間をもって解説し、アフターファイブでは必ず飲みながら深い理解を繰り返し図ってきました。

このコミュニケーションの際に必要な事は、「偉い人が、勝手に話していった」と思われたら負けです。イメージ的には、自分が接待する側、社員全員がお客様として、心を分かち合う事であることは言うまでもありません。

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リーダーは、職場の組織ビジョンを部下と作る

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近藤 章功

組織変革・人財育成を考える次世代リーダーを目指す方向けのサイトです。 経歴は、2019年で企業勤務を退社し、企業・組織のコンサルタントと共に研修会社と契約し研修講師を実施中。専門分野は人財育成・組織強化対策中心に幅広く対応。 コンサルティング・研修・講演ご希望の方は、以下まで anngel01020909.ivia@gmail.com

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