199〇年の出来事です。
私は、某グローバル企業の本社で、営業スタッフをやっていました。
ある日突然、役員から会議室に呼び出されました。
役員「君に重大な任務をお願いしたいと思っているんだ。受けてくれるな?」
私「良くわかりませんが、光栄です。やらせていただきます・・」
と言ってしまったのでが運の尽きでした。
役員「内容はある会社に対してM&Aを行う。ついては、営業関係のすべての業務に対して統合計画を君一人で作成してもらいたい。
私「私一人でですか?」
役員「そうだ・・、わからない事があっても担当部署に決して聞いてはならない・・」
役員「君の席は23階だね、私が17階に席を用意してあるから、明日からそっちで仕事をしてくれ」
私「今の私の席はどうなるのでしょう・・?」
役員「今のままだ!同僚にも上司にも、この17階で仕事をしている事は悟られてはならない」
私「・・・?? やってみます」
・・という事で、その日までの席や同僚、上司が居ながら、M&Aの仕事を始めた事を悟られないように仕事をしていくという環境がスタートしました。
ある日上司から・・・
上司「おい!、お前いつもどこで油売ってるんだ・・ちゃんと席に座ってろ!」
と、当然怒られます。
またM&A処理の役員説明の日が、自分の出張と重なったので、同じ上司へ
私「あの・・すみません・・明後日の出張が業務の都合で行けなくなったのですが、私の代わりに行って頂けないでしょうか?」
上司「ふざけんなバカヤロー!!、お前最近何にも仕事してねーじゃねーか!、その尻拭いを俺にしろって言うのか!!」と
フロア中に響き渡る声で、怒られます。
その時、私の仕事を唯一知っている役員の顔を見たところ、メッチャ笑ってるのです。
「ガックシ・・・」
こんな日々が3か月も続いて、精神的にも体力的にもギリギリの状態で発表の日を迎えました。
私にとってM&Aの大仕事が完了したというより、何が一番幸せだったのかと言うと、
「これで明日から、上司に怒られなくて済むんだぁ~・・・」
でした。