全国共通で売れるものは、ほとんどない!
このサイトをお読みのリーダーの方々は、自分のエリアや立地に応じて、自組織の戦略を可変させていますか?
自家用車の車種別販売台数やカップラーメンの種類、たばこのブランドなど、生活必需品から嗜好品に至るまで、全国47都道府県での売れ行き動向には必ず違いがあります。
これは、小さなエリアでも同様な事象が発生することはお判りであると思います。
ではリーダーの皆さんは、上部機関から販促企画が付与されてきた時に、部下に対してその違いを加味して目標を設定していますか?
まさか、ほとんど売れる見込みがない担当エリアや店舗等に対しても「売ってこい!」と無理な指示を出すリーダーになっていませんか?
さらにひどいのが、元々売れる可能性の高い顧客属性を持つ担当の成績と、相対的に売れる可能性の低い担当を同じ土俵に上げて比較し、叱責を飛ばすリーダーになっているとしたら部下にとって不幸以外の何物でもありません。
本社や上位組織の指示は絶対で、リーダーはそれを「どう実現できるかを考えるのが役割でしょう・・」と考える方も多いと思いますが、総論賛成各論反対です。
企業と言うのは、総売り上げや利益をどれだけ出すかが、ステークホルダーにも社員にも最も大切なミッションですから、それはリーダーとしても達成必須の要件です。
しかし、それを構成する要素である商品毎の売り上げは、お客様のニーズがあって初めて実現されるものです。(潜在ニーズの掘り起こしを除いて)
したがって、
ポイント
売れない商品を売るために時間を掛ける位なら、売れる商品を一つでも多く売って、売上や利益を稼ぐべきです。
実際に私が過去に担当していた四国では、全国の販促プランは「適当にやっとけ!」「無理に売らせるな!」と指示し、その代わり地元で売れる商品を売る事と地域に合った売り方を徹底的に実行してきました。
その結果、売り上げ目標では全国No.1を達成。販促プランの商品は平均以下の売上でしたが、誰にも全くクレームを言われることはありませんでした。
ただし、この判断をするための注意点があります。
注意ポイント
徹底的に自分が管轄する、エリアやお客様の特性分析をして、注力する点を明確に仕分けておくこと。
例えば、四国の特徴は
・県によって全く属性が違う
・所得は非常に低く、貯蓄は多い反面、全国一高級品の売れ行きも高い(二極化)
東北では
・全体では高齢者割合が高く、平均所得も低いが、仙台だけ平均年齢は東京並み、10~20代層の割合が非常に高い。
等、簡単でも良いので仕事の優先順位が立てられるレベルの整理が必須です。
これは、上位機関の販促プランを加工する(無視する)説明資料として役に立ちます。
リーダーである皆さんが、部下の時代に「仕事は気合と根性だ・・」とか「上からの命令は絶対だ!」とか言われたことが一度や二度はあると思いますが、その時ほど上司の馬鹿さ加減を軽蔑した事でしょう。
今自分がリーダーとなってその上司役をしている時に、同じことを自分の部下にやり返すような行動は、リーダーとしては絶対にやめるべきです。
市場はどんどん速いスピードで変化しています。それによってお客様のニーズの変化も早く、同じものが全国津々浦々で同じようには絶対売れるはずが無いのです。
不確実性の高い時代のリーダーは、組織のYESマンになってはいけません。
あとは、リーダー自身の腹の決め方です。
自分が正しいと思ったことへ向けて邁進してください。