0.この章を読んで頂きたい方々
◆新人リーダーとして、部下との付き合い方に悩んでいる方
◆リーダーは部下に尊敬される人間であるべきと思っている方
◆リーダーになる前の自分と部下を比較してしまう方
◆上司の指示・命令は絶対であると思っている方
1.今まで同僚であった部下からの見られ方
初めてリーダーになった貴方は、今までの同僚たちは貴方の部下になり、今まで上司や上役だった方があなたの同僚になった訳です。
「リーダーになっても、俺は今までと一緒だ・・・」と考える方もいると思いますが、周囲からはそう見られていません。
よく考えてみてください、リーダーになった貴方は、期末になれば部下の評価をしなければなりません。部下の人事異動に関与しなければなりません。次のリーダーを選任していかなければなりません。
つまり、貴方がいくら「今までと一緒だ・・」と考え、部下に対して「今までと一緒だから・・」と伝えても、部下にとっては他の上司と一緒である自分の会社人生を左右してしまう人になっていて、何でも正直に自分を出すことができない存在になっています。
この事実は、直せない事実ですから、このことから目を背けることは出来ません。
ただし悲観的に考える必要はありません。目を背けずに、自分自身がその事実に向き合えば良いだけです。
実際に皆さんは「もし、自分が上司になったら、こうしてやろう・・」と考えていた事もあったと思います。
まず最初は、それをそのまま実行すれば良いのです。
例えば”毎日全員に声をかけよう”や”悩みは必ず親身に相談に乗ってあげよう”とか”失敗したときは責任から逃げないようにしよう”などと考えていたとしたら、そのまま実行しましょう。
リーダーとしてのマネジメントで最初の時期に注意すべき事は、
ポイント
①部下の個性や行動、会社の施策や指示など、すべてを否定せずにまず受け入れる事。
②真っ直ぐに事実を見つめ、自分の過去経験で判断してしまわない事。
③起きた出来事や部下の様々な考え方に正面から向き合って考える事。
④やろうと思ったことは、途中で投げ出したり責任転嫁せずに最後までやり切る事。
以上です。イメージ的には受け身の立ち位置をとって、自我を抑えてください。
2.リーダーは人間の価値とは無関係
貴方は、こんなリーダーを見たことがありませんか?
参考
・業務後に一緒に行った仕事仲間での居酒屋でも、命令調な話し方をする。
・部下に人生の説教をする。
・休日等のプライベートな場でも、年長の部下を呼び捨てにする。
・居酒屋の店員に対して横柄な態度をとる。
・タクシーの運転手に高圧的な言葉を投げかける。
こんな事をするリーダー諸氏は、良く居ると思います。
私は、サラリーマン人生の最後であった職場では、部下に管理職を20名程持ち、一般正社員を200名、パート社員を100名程持っていました。その職場に着任して、最初に全社員あてに伝えたメッセージは以下の通りです。
「この度○○長をする事になった○○です。役職上は皆さん全員の中で最上位になりますが、これは人間の価値を示すものではありません。役職は仕事上の役割分担として、判断の大きさを決められたものです。会社というものは、この判断の大きさに基づいて給与が決まっているため、皆さんより多い給与を頂くことになります。したがって、頂く給与に見合う仕事をしようと思っています。この中に居るリーダーの方で、自分は、人間の価値が高いなどという、馬鹿な幻想に捕らわれている人が居たら即座に捨ててください。もし捨てられないようであれば即座にマネジメントを辞めていただきます。」
これは、本当に冒頭の所信表明で発言した内容です。
リーダーは、人の上に立つ事は事実です。で、あるからこそ謙虚でいるべきです。指示・命令という伝家の宝刀で仕事を勧めるような昔型のリーダーには決してならないでください。
最後に、私の嫁に、よく言われた言葉を記載します。
「実るほど、首を垂れる稲穂かな・・」